喫煙者に「禁煙は難しいか」と尋ねると、ほとんどの人は「難しい」と答えます。しかも不思議なことに、これまで禁煙にチャレンジしたことがない人や、まったくタバコを吸わないノンスモーカーに尋ねてもやはり「難しい」という答えが返ってきます。
では、本当に禁煙は難しいのでしょうか?
ニコチン中毒そのものは、簡単に治ります。
禁煙が難しいと考える人の多くは、「タバコをやめると激しい禁断症状が起こる」と考えています。
たとえば、イライラして周囲の人間に当り散らしてしまうとか、集中力が散漫になって仕事や育児が手につかない、頭の中がタバコのことでいっぱいになりパニックになる、といったものです。
しかし、実のところニコチンの禁断症状はそれほど酷いものではありません。ほとんどの人は自覚できない程度の、非常に軽微な症状です。しかも、症状が自覚できるのは最初の数日だけなので、5日もすればその微妙な症状すら感じられなくなります。
つまり、ニコチン中毒そのものを治すのはとても簡単なことなのです。では、なぜ私たちはタバコを止めるのは難しいと思い込んでいるのでしょうか?
「やめたくない」喫煙者の心の葛藤
多くの喫煙者が禁煙にチャレンジしては失敗を繰り返しているのは、タバコがやめられないのではなく「やめたくない」という気持ちが邪魔をするからです。
すべての喫煙者は、心の中で綱引きをしています。「吸ってはいけない!」という気持ちと「吸いたい!」という気持ちです。この心の葛藤が、禁煙を困難なものにしているのです。

いわゆる「精神力メソッド(意志の強さに頼った禁煙方法)」は、この綱引きの片側を無理に引っ張ってそちらを勝たせようとするやり方です。つまりは、喫煙の害やデメリットについて一生懸命考えて、自分自身に「禁煙するべきだ」と言い聞かせるやり方です。
しかしこの場合、禁煙を始めたとたんに「吸ってはいけない」という気持ち(意志力)が弱まります。なぜなら、禁煙を開始するとすぐに禁煙しなければならない理由(お金のムダ、健康上の理由、臭いの問題、罪悪感や自己嫌悪など)がなくなってしまうからです。
すると、「1本くらいなら吸ってもよいのでは?」という気持ちが起こり、再び「吸いたい!」と「吸ってはいけない!」という気持ちの葛藤が始まります。
徐々に本数を減らしてもなかなか最後の1本が絶てないのはこのためです。
「難しい禁煙法」と「簡単な禁煙法」
世の中には、多種多様な禁煙方法があります。
ニコチンガム、禁煙外来(ニコチンパッチ)、離煙パイプ、禁煙飴、禁煙パイポ、催眠療法など、あなたが知っているだけでも数え切れないほどの方法があるでしょう。
しかし、どんな方法も突き詰めると必ず「難しい禁煙方法」と「簡単な禁煙方法」のいずれかに分類されます。つまりは、自分の意志力に頼った禁煙方法と、意志力を使わない禁煙方法です。多くの喫煙者が禁煙に失敗しているのは、「難しい禁煙方法(意志力の強さに頼った方法)」を採用しているからです。
あなたを”卒煙”に導くのは、意志の強さでも禁煙の知識でもありません。
「簡単な禁煙方法」を選択すること。つまり、方法の選択を誤らないことなのです。







